最終更新日:2026年4月30日
本州から海を隔てた四国地方は、徳島・香川・愛媛・高知の4県からなる独自の文化圏です。一見すると「田舎で安全」というイメージを持つ方も多いですが、警察庁の最新データが示す実態は意外な一面を持っています。特に香川県は2025年度、全国犯罪発生率ワースト10位に入るなど、都市化と人口減少が治安に与える影響が数字に表れています。
本記事では2025年1月1日時点の人口データと警察庁発表の犯罪統計を基に算出した発生率を使い、四国4県の治安状況を詳しく解説します。2019年からの7年間の推移データや外国人比率との関係も含め、移住・旅行・不動産の参考にお役立てください。
2026年度 四国地方 治安の悪い都道府県ランキング

以下の表は、人口10万人当たりの刑法犯認知件数(犯罪発生率)を算出し、ランキング化したものです。
| 四国内順位 | 都道府県 | 犯罪発生率(人口10万人当たり) | 全国順位(ワースト) | 認知件数 | 人口 | 外国人比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 香川県 | 673.85件 | 全国10位 | 6,334件 | 939,965人 | 2.06% |
| 2位 | 高知県 | 545.98件 | 全国18位 | 3,630件 | 664,863人 | 1.00% |
| 3位 | 愛媛県 | 535.89件 | 全国22位 | 6,947件 | 1,296,359人 | 1.41% |
| 4位 | 徳島県 | 461.30件 | 全国32位 | 3,231件 | 700,409人 | 1.25% |

香川県が四国で一番治安が悪いんですね!全国10位って都市部みたいな順位…

人口が少ない香川でも発生率が高いのは、高松市への人口集中と観光業の活発化が影響しているからだよ。「四国だから安全」という先入観は要注意ね。
スポンサーリンク
各県別の詳細データ解説と独自の考察
1位 香川県 673.85件/10万人(全国10位)

香川県は2025年度、四国内最悪・全国ワースト10位という結果になりました。発生率673.85件は前年(617.55件)から56.3件増と急上昇しており、2023年以降3年連続での悪化が続いています。認知件数6,334件は2019年(4,962件)比で27.6%増と大幅に増加しています。
人口が約94万人と四国最少ながら発生率が高い背景には、高松市を中心とした商業集積と、コロナ明け以降の観光客急増があります。外国人比率2.06%は四国最高で、2019年(1.26%)から大幅に上昇しています。移住候補として香川県を検討されている方は、エリアごとの治安情報も合わせてご確認ください。
2位 高知県 545.98件/10万人(全国18位)

高知県は全国ワースト18位・発生率545.98件。2024年(521.74件)から24.2件増と上昇が続いており、2025年は過去7年の最高値を更新しました。人口約66万人と四国最少の高知県で発生率が高い要因として、高知市への人口一極集中と、中山間部の過疎化による地域防犯力の低下が挙げられます。
外国人比率は1.00%と四国最低ですが、発生率は愛媛県を上回っています。これは外国人比率よりも、高齢化・高貧困率・孤立化などの国内要因が治安に影響していることを示しています。2020年のコロナ禍では発生率が383.37件まで急減しましたが、その後は一貫して上昇基調にあります。
3位 愛媛県 535.89件/10万人(全国22位)

愛媛県は全国ワースト22位・発生率535.89件。四国最大人口(約130万人)を擁しながら、発生率では高知県をわずかに下回る3位です。2024年(528.61件)からの上昇幅は7.3件と四国4県中最小で、比較的安定した推移を見せています。
全国順位は2019年の15位から2025年の22位へと改善(順位が下がるほど治安が良い)しており、四国の中では相対的な改善傾向にある唯一の県です。松山市は四国最大の都市で観光地としても人気ですが、道後温泉周辺など観光客集中エリアでの軽犯罪に注意が必要です。
4位 徳島県 461.30件/10万人(全国32位)

徳島県は四国内で最も犯罪発生率が低く、全国ワースト32位・発生率461.30件。2022年に310.43件まで改善しましたが、2023年以降は上昇に転じ、2025年は前年(415.77件)から45.5件増と大幅に悪化しています。
外国人比率は1.25%で年々増加(2019年:0.80%)しており、農業・水産業・食品加工業での外国人労働者増加が反映されています。阿波踊りの季節などは観光客増加に伴う一時的な犯罪増加が見られますが、年間を通じると四国内では最も安全な県といえます。

徳島県が一番安全でも全国32位…地方だから安全という考えは改めないといけないですね

そうだね。全国47位が最も治安が良いとすると、32位は上位3分の1に入る「治安が悪い方」なんだよ。データを見て判断することが大切!
スポンサーリンク
7年間の全国順位推移(2019〜2025年)
以下は2019年から2025年までの7年間にわたる全国ワースト順位の推移です(数値が小さいほど治安が悪いことを意味します)。
| 都道府県 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | トレンド |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 香川県 | 16位 | 14位 | 23位 | 17位 | 11位 | 12位 | 10位 | 🔴悪化 |
| 高知県 | 18位 | 26位 | 18位 | 23位 | 23位 | 19位 | 18位 | 🟡横ばい |
| 愛媛県 | 15位 | 12位 | 13位 | 14位 | 17位 | 17位 | 22位 | 🟢改善 |
| 徳島県 | 31位 | 35位 | 35位 | 38位 | 39位 | 35位 | 32位 | 🔴悪化 |
グラフで特に目立つのは香川県の2023年以降の急激な悪化です。2021年に一時23位まで改善しましたが、2022年以降は一貫して悪化し、2025年はついに10位に達しました。一方、愛媛県は2019年の15位から2025年の22位へと順位が下がり続けており(治安が改善)、四国内では唯一の改善傾向を示しています。
徳島県は2022年に38位まで改善(四国の最善値)しましたが、2025年は32位まで悪化。高知県は2020年のコロナ禍による一時改善後、18〜23位の間を行き来しています。四国全体として2022年の改善後、2023〜2025年は再悪化のトレンドにあります。

香川県が2023年から急悪化しているのが気になります。何が起きているんでしょう?

コロナ禍明けの観光・経済活動の急回復が一番大きな要因と見られているよ。それに外国人労働者の急増も加わって、短期間で治安指標が変化したみたい。
スポンサーリンク
外国人比率と治安の関係
各県の外国人比率(2025年)と犯罪発生率の関係を整理します。
| 都道府県 | 外国人比率 (2025年) | 2019年比 | 犯罪発生率 (2025年) | 全国順位 |
|---|---|---|---|---|
| 香川県 | 2.06% | +0.80pt増 | 673.85件 | 10位 |
| 愛媛県 | 1.41% | +0.55pt増 | 535.89件 | 22位 |
| 徳島県 | 1.25% | +0.45pt増 | 461.30件 | 32位 |
| 高知県 | 1.00% | +0.38pt増 | 545.98件 | 18位 |
外国人比率と犯罪発生率には一定の正の相関関係が見られますが(香川:外国人比率最高・発生率最高)、高知県の例が示すように単純な因果関係ではありません。外国人比率最低の高知県が、愛媛県より高い発生率を記録している点は注目に値します。
四国における外国人増加は主にベトナム・フィリピン・インドネシア等からの技能実習生・特定技能労働者で、農業・漁業・食品製造業での需要を背景としています。労働環境の改善や地域コミュニティへの統合が、治安維持においても重要な課題となっています。

スポンサーリンク
5. 四国地方の犯罪傾向と今後の課題
四国4県に共通する犯罪傾向と地域別の課題を整理します。
【増加傾向にある犯罪】全国的な傾向と同様、四国でも高齢者を狙った特殊詐欺(オレオレ詐欺・還付金詐欺)の被害が増加しています。高齢化率が全国平均を上回る四国では特に深刻で、一人暮らしの高齢者が集中する中山間部での被害が目立ちます。また、インターネットを使った犯罪(フィッシング詐欺・ネット通販詐欺)も急増しています。
【県別の特徴的な犯罪傾向】香川県は高松市の商業地・歓楽街での窃盗・自転車盗が多く、さぬき市・東かがわ市など東部の農業地帯では農作物・農機具の盗難が課題です。高知県は飲食店が集中する高知市中心部での深夜トラブルが多い傾向があります。愛媛県では松山市の繁華街(大街道・銀天街周辺)と道後温泉エリアでの観光客向け犯罪への注意が必要です。徳島県は農業・漁業関係の盗難事案が増加しており、特に収穫期の農産物盗難は深刻な問題となっています。
【2026年以降の見通し】四国4県はいずれも人口減少と高齢化が全国平均より速いペースで進行しています。2025年時点での四国4県の高齢化率はいずれも30〜35%台と高く、地域コミュニティの空洞化が進むことで防犯力の低下が懸念されます。一方、各県警では重点パトロールの強化や防犯カメラの整備を進めており、特定犯罪については一定の抑止効果が期待されます。
スポンサーリンク
まとめ
2026年度の四国地方治安ランキングをまとめると、以下のポイントが浮かび上がります。
① 香川県が7年連続でエリア内ワースト1位。全国でも10位という高い犯罪率を記録しており、四国の中では突出した治安リスクがあります。
② 高知県・愛媛県は全国18位・22位で中位圏。近年の犯罪発生率は比較的安定していますが、引き続き注視が必要です。
③ 徳島県は四国で最も治安が良い県。全国32位と下位圏に位置しており、犯罪発生率も低水準を維持しています。
経過や傾向を分析すると、四国全体では犯罪発生率の改善傾向が見られるものの、都市集中型の香川県は依然として高い水準にあり、今後の推移と取り組みを注視することが重要です。
スポンサーリンク
出典資料
- 警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」(2026年公表)
- 総務省「住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数」(2025年1月1日現在)
- 出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2024年末現在)



